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	<title>なるほど！コラムに関する記事一覧 &#8211; 粘度計の東機産業</title>
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	<description>開発・生産・販売・サポートの一貫体制。私たちは、粘度計のエキスパート・カンパニーです。</description>
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		<title>【13回】潤滑剤と粘度</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:52:16 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[レオロジーが私たちの生活や社会・産業にどのように関わっているか、それを身近な題材から見ていく本コラムですが、今回は「潤滑」について取り上げてみます。 潤滑というと、&#8221;人間関係の潤滑剤&#8...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>レオロジーが私たちの生活や社会・産業にどのように関わっているか、それを身近な題材から見ていく本コラムですが、今回は「潤滑」について取り上げてみます。</p>
<p>潤滑というと、&#8221;人間関係の潤滑剤&#8221;という言い方がすぐに思い浮かぶのではないでしょうか？<br />
人と人との間柄をぎくしゃくさせず、スムーズな関係を築く道具・材料が潤滑剤ですが、レオロジーで言うところの潤滑も、まさにそうした性質を表すためのものです。</p>
<p>では、少し詳しく見ていきましょう。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">雪崩が起きるメカニズムーー摩擦の威力</h2>
<p>潤滑とは面同士が接する２つの物体の、その面の動きを対象とする学問領域です<br />
この時２つの面は、滑り、転がりなどの相対運動をします。<br />
と、ちょっと専門的な話になる前に、潤滑（の前提）を理解するための例として雪崩を取り上げてみます。</p>
<p>今年（2007年）の日本は記録的な暖冬で、例年並に雪が降った地域では大掛かりな雪崩の発生が懸念されました。<br />
一方、前年は記録的な豪雪でしたが、この時も雪崩への注意が呼びかけられました。<br />
降雪回数の少ない暖冬と降雪量の多い厳冬では、起こりやすい雪崩の種類が違うのだそうです。<br />
雪崩とは積もった雪が斜面を滑り落ちていく現象ですが、地面（積雪底面）を滑り面として起きるものを全層雪崩、滑り面が積もった雪の中にあり、その上にある雪が滑り落ちていくタイプを表層雪崩と言います。<br />
種類は違っても、雪崩が起きる基本的なメカニズムは同じです。</p>
<p>そもそも、なぜ&#8221;雪崩が起きる前&#8221;は雪は滑り落ちないのでしょう。<br />
簡単に言うと、重力の斜面方向の力（駆動力）とそこに留まろうとする力（支持力）のバランスが保たれているためです。<br />
逆に言うと、駆動力が支持力を上回った時に雪崩が起こります。<br />
今年のように温暖な冬の場合、地表面に融雪氷や雨が浸透しやすくなり滑り面を形成します。<br />
つまり、滑り面とは支持力が非常に低い面のことであり、そして積雪を支える力＝支持力の正体は、積雪底面と地表面との摩擦力であるのです。</p>
<p>突飛な仮定ですが、もし家屋の屋根表面の摩擦力を非常に小さくできれば、斜面の屋根に雪は積もらず（ただし降るそばから軒下にボトボト落ちるでしょうが）、大変な重労働である雪下ろしから開放されるかもしれません。<br />
潤滑の研究とは、例えばそういうことなのです。</p>
<p>相対運動下にある物体の動きをコントロールする、より具体的に言えば、加わる力と摩擦力との関係、それに影響を及ぼす潤滑剤の作用、摩擦によって起こる摩耗の制御などを研究対象とします。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">潤滑剤がないと、仕事ができない機械たち</h2>
<p>さて、「潤滑」と称されてきたこの学問領域ですが、40年ほど前からトライボロジーという呼称も使われるようになってきました。<br />
その指し示すところは潤滑とほとんど同じだそうですが、こうした新しい用語が導入された背景には工業生産体制の急激な進展??機械装置による自動化・高度化があります。<br />
機械が人間と同じような作業をするためには、アクチュエータと呼ばれる可動部が必要。<br />
このアクチュエータを動かすギヤや軸受け、シリンダ、ピストン等のエレメントも含め、これら部品の動きと摩擦、生じる摩耗や焼き付きなどを精密に制御することが求められているのだと言えます。</p>
<p>さて、摩擦を制御する主役の一つは間違いなく潤滑剤です。<br />
この潤滑剤の性質が、機械装置に組み込まれるエレメントの性能に大きく影響しています。<br />
最も分かりやすい例はエンジンのピストンでしょうか。<br />
レシプロエンジンにおいて、ピストンはシリンダ内で直線往復運動を繰り返しています。<br />
シリンダは燃焼室ですから、吸引した燃料ガスが漏れ出してはいけない。<br />
ところが、ピストンの外径とシリンダの内径をほぼ同じに作ったのでは、ピストンは現実的には動きません。<br />
あまりに摩擦が大きく、お互いに貼り付いたようになってしまいます。<br />
無理やり大きな力で動かしては、シリンダ内面（あるいはピストン外面）を激しく摩耗させるだけです。<br />
かといって、内外径の隙間を大きくしたのでは、先ほど触れたようにガスは漏れてしまい、正しい燃焼ができません。</p>
<p>そこで潤滑剤が必要になります。<br />
潤滑剤はピストンとシリンダ内径の間で薄い油膜となり隙間を埋めます。<br />
このことは摩擦を低減させ、部品同士の擦れや発生する熱からの摩耗を抑えると同時に、燃料や燃焼ガスの漏えいを防止しています。</p>
<p>ただし、潤滑剤が使われていても摩耗がゼロになるというわけではありません。<br />
さらに、潤滑油には削られた金属粉が少しずつ加わっていき、それが一段と摩耗を進める事にもなります。</p>
<p>従って、潤滑剤は摩擦を軽減し機密性を高めつつ、同時に摩耗の発生もできるだけ抑制するような機能を持たせることが必要となります。</p>
<p>こうした潤滑剤の性能を支配する非常に重要な要素は、粘度なのです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">粘潤滑剤の性能を決める粘度</h2>
<p>これまで何度も見てきたように、非線形の特質を持つ流体の粘度は温度によって大きく変化します。<br />
一般に、液体の粘度は温度が上昇すると低下していきます。低速から高速まで幅広い速度で運動する部品ではそれだけ温度変化が著しく、通常の潤滑油では粘度もそれに応じた変化をします。<br />
ただし、稼動状態によってオイルの状態があまりに異なるのは、駆動機械の構造にとって望ましいことではありません。</p>
<p>そこで、潤滑油ができるだけ安定した性質を発揮するように、その粘度変化の幅を調整する必要があります。<br />
この時、潤滑油の粘度が温度によって変化する度合いを示す尺度として「粘度指数」が使われます。<br />
温度が高くなっても粘度の低下が小さいことを粘度指数が高いと表現し、現在流通している多くの潤滑油では粘度指数は100を超えています。<br />
レシプロエンジンで言えば、エンジン始動時のオイルの粘度は高く、いわゆる&#8221;暖まってくる&#8221;と粘度は下がります。</p>
<p>例えば寒冷な環境では潤滑油の粘度が増加して粘性抵抗が大きくなるため、始動時のクランキング（セルモーターでエンジンを回す）がし辛くなります。<br />
また、暖まってきても粘度が高め傾向にあるオイルでは摩擦力は大きく、伝達効率が損失してしまいます。こうしたことから、エンジンオイルの低粘度化が開発の１つ流れになっています。</p>
<p>しかし、ただ粘度を下げれば良い、というほど話は単純ではありません。<br />
低粘度に調整してあるエンジンオイルは、高温では油膜の形成力低下につながり、それは摩耗や焼き付きなどに結びついてしまいます。<br />
また、低粘度オイルでは基油の蒸発性が高まり、結果、オイルの消費量が増大するという側面も考慮しなければなりません。</p>
<p>そこで、低粘度オイルの設計・開発では、より高い粘度指数を持ち、また性能低下を補うための耐摩耗剤の添加など、数々の工夫が求められています。<br />
こうした開発において、より効率的かつ精度の高い粘度計測が不可欠となります。</p>
<p>潤滑油を含め、数々のレオロジー材料を手掛けてきた東機産業では、新しい流体製品の研究・開発のサポートを通して、社会生活・環境の向上に、これからも貢献して参ります。</p>
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		<title>【12回】美を演出する科学</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:50:10 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[前回に続いて、今回も化粧品とレオロジーの話を続けていきます。 特に男性にとっては、そもそも化粧品の意味ってなんだ？　という方も多くいるでしょう。 もちろん、美しく装うためのツール（道具）と言えばその通...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>前回に続いて、今回も化粧品とレオロジーの話を続けていきます。</p>
<p>特に男性にとっては、そもそも化粧品の意味ってなんだ？　という方も多くいるでしょう。<br />
もちろん、美しく装うためのツール（道具）と言えばその通りなのですが、その元には基本となる機能・効能というものがあります。<br />
大きく言えば、肌に潤いを添加すること、そして保湿すること（スキンケアやヘアケア）です。<br />
その上で、美しく演出する（メークアップ）という目的が加わってくるものと言えます。<br />
その他、香水や体に使う洗浄剤も化粧品の範疇にはいるものと言えます。</p>
<p>特に最近では、ユーザが女性、男性にかかわらず、そこにさらなる機能や効用（美白、肌荒れ対策、日焼け防止など）、そしてより快適な使用感（さらっとしている、ベタつかないなど）などが求められています。<br />
レオロジーは、そうした商品を開発していくための一端を担っています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">化粧品の基本はエマルション</h2>
<p>化粧品のもっとも基本的な形態は、レオロジーから見るとエマルション??クリームや乳液などです。<br />
エマルションとは、水と油のような２相の液体物質が、一方が溶媒、一方が溶質として混ざり一体となっているものを言います。<br />
かなり乱暴に言えば、化粧品はこのエマルションを基剤として、そこに商品の&#8221;のび&#8221;を調整する増粘剤、各種有効成分（塩類、コラーゲンなど高分子材料、機能性酵素など）、色素、香料等が配合されたものと言えるでしょう。</p>
<p>エマルションには、大きく２つのタイプがあります。<br />
化粧品として多いのが水の中に小さな油の粒子が点在するタイプでO／W型と称します。<br />
牛乳はこのO／W型。<br />
もう１つはその反対に、油の中に小さな水の粒子が点在するタイプでW／O型と称します。<br />
マヨネーズがこのW／O型でよく知られる製品の代表です。</p>
<p>O／W型のエマルションが化粧品に多く使われるのは、水分と油分を同時に塗ることができる点にあります。<br />
水ベースのO／W型である点は、さっぱり感を得た後で保湿成分となる油分が塗布される、その使用感が多く好まれるためのようです。<br />
逆に言うと、ユーザが求める多様な使用感を生み出していくために、エマルションの状態をどう調整するか、そうした乳化の技術が大きなポイントになってきます。</p>
<p>一般に、溶け込む方の粒子が小さいほど、エマルション全体としては安定することになります。<br />
また、使用感もさっぱりとしたものに仕上がります。<br />
逆に油粒子を大きくしていけば、もっとのびが良くしっとり感の強い製品を作る事ができるわけです。</p>
<p>しかし、これまで本コラムでもたびたび記してきましたが、分散粒子が大きくなるほど安定性が失われ、かつ均一な分散が保ち難くなります。<br />
この課題に対して、ある化粧品メーカでは二つのアプローチをしています。</p>
<p>１つは分散させる油粒子の周りを常温で固形の油で覆い（シェル）、安定を保つものです。<br />
固形の油分を変えることでシェルの固さは調整可能だそうです。<br />
もう１つが、W／O／W型と称されるエマルションを作ることです。<br />
W／O／W型とは、水の中に油粒子を分散させるタイプ（O／W型）をベースに、分散させた油粒子の中にさらに水分を含ませたものです。<br />
油粒子はいわば水膨れ状態となり、結果として巨大化します。<br />
ただし、単純に大きな粒子とは異なり、容器の中では安定し、使用時に塗布というズリを加えることで初めて壊れ、のびの良さと瑞々しさをより強く感じることが出来るそうです。<br />
化粧品メーカは、このW／O／W型の開発に独自の技術を投入しています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">ナノサイズの粒子を活用する</h2>
<p>今度は、配合する成分粒子をより細かくする開発を見てみましょう。<br />
日焼け止め化粧品を例に取ります。</p>
<p>日焼け止め剤は有害な紫外線から肌をブロックすることが機能で、その性能はSPF（Sun Protection Factor）値で表します。<br />
紫外線をブロックするためには、少なくとも紫外線の吸収剤と散乱剤の成分が配合されます。<br />
このうち、散乱剤として用いられることの多い白色の酸化チタンですが、塗った時にどうしても白さが目立ってしまうという、化粧品としては欠点がありました。<br />
これを解決するための方法が、酸化チタンをナノサイズにすることです。</p>
<p>ナノサイズとなった酸化チタンは紫外線を含む光を周囲に拡散させ、肌への到達量を減少させます。<br />
それは同時に、白光りするのも抑えられることになり、SPFを高めつつ透明感の高い日焼け止め剤を求めるニーズに応えるものとなるのです。</p>
<p>このように、今後も新たな化粧品への期待やニーズが様々に出てくるでしょうが、その開発過程では、レオロジーの成果がいちだんと取り入れられることになるでしょう。</p>
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		<title>【11回】粘度が作る高級化粧品</title>
		<link>https://tokisangyo.co.jp/post11/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:38:49 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[「触れるとクリーミィなのに、塗った途端にサラッとした感触に早変わり。」 「スポンジに取るとエマルションのようになめらかにのびて､乾燥肌にもやさしくフィット｡」 これらは某化粧品の説明文です。 化粧品の...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「触れるとクリーミィなのに、塗った途端にサラッとした感触に早変わり。」</p>
<p>「スポンジに取るとエマルションのようになめらかにのびて､乾燥肌にもやさしくフィット｡」</p>
<p>これらは某化粧品の説明文です。<br />
化粧品の通販サイトを見ると、こうしたエマルションやチクソトロピーという言葉が当たり前のように使われており、こうした商品に縁のない男性諸氏には少々驚きかと思います。</p>
<p>では、今回は化粧品を題材に、使う側ではなく、作る側からのレオロジーとして見ていきましょう。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">感ピュータを数値化する</h2>
<p>化粧品には、本来的機能（肌を明るくみせる、肌の保水をする･･･）、嗜好性（香りや色･･･）、使用感等の総合的なものとして商品特性が作られています。<br />
その中で、レオロジー的な特性はどのように関わっているのでしょうか。<br />
代表的なところで言えば、クリームの塗り心地、マニキュアや口紅の塗布性（温度特性等も含む）などを狙い通りにコントロールするために、粘度測定等を活用しているものと言えます。</p>
<p>そもそも、商品特性は個人の嗜好性が大きく影響します。<br />
従って、最終的な成分構成の良し悪しの判定には、官能検査を担当するテスターの&#8221;感ピュータ&#8221;の威力が大きな役割を果たします。<br />
これはむろん化粧品に限らず、例えばビールのノド越しなども、多くのパネラー（被験者）の感覚を統計的に処理した中から好まれる味を導き出していきますが、もちろん専門のテスターも関与しています（ちなみに、ビールのノド越しも粘度が重要な役割を果たしていることは以前このコラムでも紹介しました。ある一定速度で飲み込んだときのノドへの引っ掛かり具合、つまり粘度が、「キレ」などと表現されます）。</p>
<p>とはいえ、&#8221;感ピュータ&#8221;の判断をできるだけ数値化し、製品開発や製造を標準化していくことは、現代のものづくりの基本です。<br />
その際、粘度をはじめとするレオロジー項目の測定値は使い勝手の良い指標となっています。</p>
<p>そもそも化粧品（芳香が機能の１つとして成立していることから、業界では香粧品と呼ぶのだそうです）には、高分子が多く利用されており、レオロジーの出番が多いのも実は自然なことと言えます。</p>
<p>では「へぇ～」という例を１つ。</p>
<p>「落ちない口紅」というのが、数年前から使われるようになってきています。<br />
従来、口紅というのは油に色素を混ぜてあるのが一般的です。<br />
唇に色が乗りやすい反面、唇が触れた先にも色が移りやすい構造になっていました。<br />
「落ちない口紅」の実現は、各メーカーさまざまな工夫を施しているようですが、その１つが、海藻から抽出した超高分子アルギン酸を成分として使うもの。<br />
この高分子材料は水分によく反応し、表面に被膜を形成します。<br />
口紅に使用すれば唇や吐息に含まれる水分と反応して、口紅の表面（それは唇と言っても良いのですが）をコーティングします。<br />
この働きによって、色が落ちにくくなっているわけです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">スキンクリームの塗布感と降伏値</h2>
<p>特にクリーム類・乳液などの塗布感では、粘度が製品コントロールに非常に役立ちます。<br />
スキンクリームを例に見てみましょう。</p>
<p>油中に水滴、あるいは水中に油滴が分散している液体をエマルションといい、レオロジーが対象とする代表的な液体の１つです。<br />
クリーム類はこのエマルションに属し、ある大きさの力を加えることで急激に粘度が低下するといった独特の性質を持っています。<br />
具体的には、クリームを肌に乗せて塗り始めるとすーっと伸びていく。<br />
高粘度であったものが瞬間的に低粘度へと変わることで、滑らかさという官能と、塗りやすさという機能を実現しています。<br />
商品の説明文で使われる「チクソトロピー」は、こうした性質を伝えようとしているものでしょう。</p>
<p>粘度が急激に低下し始めるところを降伏値と言いますが、降伏値が小さい、つまり小さな力でするすると伸びていく方がクリームは塗りやすいものです。<br />
ボテっとしない滑らかさは、クリームの高級感の一要素でもあるようです。<br />
ということは、降伏値の大きさで商品にグレードを付けられる。この降伏値の操作はまさにレオロジーの世界です。<br />
チューブをどれくらいの力で押すとクリームが出るようにするか、口紅を塗るときの滑らかさ具合なども、降伏値を変えることでコントロールできます。</p>
<p>製品（例えばシャンプー）自体だけでなく、粘度はその容器構造にも関わってきます。<br />
容器内のシャンプーを吸い上げるパイプの径は、シャンプーの粘度との相関で決められます。</p>
<p>さて、滑らかさ以外にも、クリームの差別化を図るためのレオロジー要素は多々あります。<br />
例えば、さらっとした塗布感にするか、しっとり感を持続させるのか。<br />
あるいは、チクソトロピーの回復の具合（スピード）のコントロールなどです。<br />
早く高粘度へ戻り過ぎるとレベリングしない。<br />
逆に、いつまでも回復しないとキレのない化粧品というイメージになってしまいします。<br />
そのため、製品の目的と用途に合わせてレオロジー的性質を操作します。<br />
局所的に厚く塗るのであれば、レベリングさせない方が良い。<br />
そのために、高い降伏値と素早く高粘度に戻る性質を持たせる、といった作り込みをすることになります。</p>
<p>さて、ある物質の粘度をコントロールするのに、増粘剤等が用いられます。<br />
次に、そこを見ていきましょう。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">増粘剤の役割と分散安定</h2>
<p>クリームがエマルションであることは先ほど触れました。<br />
ここで少しわき道にそれて、牛乳の例をご紹介してみます。<br />
牛乳もエマルションの１つです。 牛乳には乳脂肪分などが溶け込んでいますが、なぜ分離しないのでしょう。<br />
これは、一般的な牛乳がホモジナイズされたものだからです。<br />
ホモジナイズとは、牛乳中に含まれる脂肪球を圧力をかけて砕き、均質化したものです。<br />
脂肪球は細かく均一になり凝集せず、牛乳の中に安定的に存在することになります。<br />
つまり、一種の分散安定技術といえますね。<br />
ノンホモ牛乳であれば、水分と脂肪分はやがて分離し、脂肪分の層（＝生クリーム）が出来ます。</p>
<p>ちなみに、ホモジナイズした牛乳は「口当たりがサラっとする」「吸収が良い」などと言われる反面、風味が損なわれるともされ、ノンホモ牛乳にこだわる生産者や愛飲家もいます。</p>
<p>さて本題に戻りましょう。化粧クリームでは、成分粒子が細かく、均一化されているものが高級と言えます。<br />
保湿等の機能を持たせる油性分が媒質である水に均一に存在するためには、分散安定剤を用いることになります。<br />
もし分散安定が上手くできなければ、化粧クリームは瓶の中で水分と油分に分離してしまうでしょう。<br />
上で見たノンホモ牛乳のように。<br />
その状態は、何かチープな感じがしますよね。</p>
<p>この分散安定剤とは、実は増粘剤の一側面でもあります。<br />
添加で粘性を高める働きをするものが増粘剤ですが、粘性を高めることで成分は安定的に存在するようになります。<br />
この機能からとらえれば、増粘剤は分散安定剤ということになります。<br />
つまり、油性分を均一に分散安定させるだけでなく、今度は増粘剤の役割として、その増粘剤の性質からクリームの伸びをコントロールすることができるわけです。</p>
<p>これらのことから言えば、高級クリームと一般品の違いは、中に入っている機能性成分の違いというより、レオロジー的性質の違いであると捉えることもできます（もちろん、薬効高い成分を配合した高級クリームもありますが）。</p>
<p>だからといって、女性に化粧クリームをプレゼントするのであれば、やはりそれなりの価格と名の知れたブランドのものをプレゼントした方が&#8221;効果的&#8221;なのは、揺るがないかもしれません。</p>
]]></content:encoded>
					
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		<title>【10回】プリント技術の発展</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:35:58 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[これまで家庭用プリンタを例に、先進のインクジェット技術を見てきました。 インクジェット技術の利点の１つは、非常に微小なもの（半導体配線プリント）から非常に大きなもの（映画館のポスター）までを、同じ基本...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>これまで家庭用プリンタを例に、先進のインクジェット技術を見てきました。<br />
インクジェット技術の利点の１つは、非常に微小なもの（半導体配線プリント）から非常に大きなもの（映画館のポスター）までを、同じ基本原理で活用できる点と言われています。<br />
実際、産業用途では既にさまざまな工業製品、商業製品の製造工程で活用されています。</p>
<p>今回はインクジェット技術の番外編として、これら産業用途のトピックス、そしてインク開発や品質管理における粘度計測の意義をまとめてみましょう</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">活用用途の広いインクジェット技術</h2>
<p>この技術の大きな特徴は、印刷対象物（メディア）に非接触で、かつ微細なインク滴を正確に飛ばすことにより目的とする像を描けることでした。<br />
非接触であるということは、メディアの材質による制約が比較的ゆるくなることになります。<br />
つまり、紙だけでなく、プラスチック、金属、布から木材まで、画像の再現精度にはそれぞれ違いがあるものの、日常身近にある様々な材質にプリントすることが可能になっています。</p>
<p>またＰＣに接続してダイレクトにデータを描画していくことは、印刷で使われている「版」を必要としないことを意味します。<br />
通常の印刷では、大判のポスターを印刷するのであれば、そのポスターと同等の大きさの「版」を必要とします。<br />
もっとも、印刷機に取り付けられないような大きさの版というのは意味がありませんから、印刷機の物理的サイズが１回で印刷できる大きさの限界となります。<br />
印刷機の規格を超えるような巨大なポスターを作るには、１つの画像を分割して印刷し、のちに組み合わせなければなりません。<br />
これは、張り合わせの精度が問われるけっこう大変な作業なのです。</p>
<p>これがインクジェットプリンタからのダイレクトプリントであれば、印刷対象媒体の大きさだけヘッド（インク吐出部）が稼働する仕組み（装置）を作れば良いことになります。<br />
それは、複雑な機構を備えた印刷機を無理やり巨大化するより遥かに簡単であることは明らかですね。<br />
といっても、もちろん現実的な大きさというのはあります。<br />
体育館の床ぐらいのプリントをインクジェットで、といっても、その際には別な問題が発生してかなり困難が生じるはず。<br />
応用範囲が広いといっても、なんにでもプリントできる魔法の技術というわけではありません。</p>
<p>話を戻して、印刷対象の大きさで言えば、逆もまたしかり。<br />
インクジェットであれば、非常に微細なプリントも可能となります。<br />
その代表例が、冒頭に記した半導体配線プリントです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">電子機器の配線回路はプリントで製造される</h2>
<p>携帯電話などが代表的な例ですが、先端的な工業製品は近年、信じられないくらいのダウンサイジングが急速に進んでいます。<br />
その内部デバイス、半導体素子を実装する回路基板も驚異的な微細化・集積化がされています。<br />
例えば、ライン幅50μm（1μm=1/1,000mm）といった金属配線が施され、これは一般的にフォトリソグラフ技術（要は、銀塩カメラを使ってフィルムに像を焼き付けるように、回路基板に配線パターンを作り出します）が用いられています。</p>
<p>フォトリソグラフ技術は応用範囲が広く安定した技術ですが、工程が複数にわたること、設備が比較的大掛かりであること、現像液やエッチング液等の廃棄物が生じるといった、設備投資や環境面からのデメリットも持ち合わせています。</p>
<p>さて、インクジェットはインクを吹きつけて像を描いていくわけですから、粒子の大きい顔料インクの代わりに金属微粒子を含む&#8221;インク&#8221;を用いて描画すれば、それがそのまま配線回路を作った（＝プリントした）ことになります。<br />
実にシンプルな工程で回路基板を製造でき、設備や環境負荷も極めて小さくなる、つまりコストや納期も従来より低減することが期待できるものとなるわけです。<br />
パソコン上のデータをそのままメディアに再現するだけですから、急激変化する市場ニーズへの対応－－必要なロット数だけを素早く作る多品種少量生産－－ともかなり相性の良い技術といえます。</p>
<p>日本の大手プリンタ会社では、粒径が数nm～数十nmの銀ナノ粒子を用いた積層回路基板の製造技術を開発しています。<br />
この銀ナノ粒子は有機物で覆ってあるのですが、これは金属のナノ粒子の凝集を防止するためです。<br />
媒質中に、銀ナノ粒子が均一に分散していないと正確な吐出、そして微細な配線を描くことが出来ないのです。</p>
<p>このことは、前回の顔料インクのコラムでご説明した分散安定技術と同じことですね。<br />
実際、家庭用プリンタの顔料インクでも、媒質での安定分散を狙い、顔料微粒子を樹脂などの層で覆う&#8221;マイクロカプセル化&#8221;が試されています。<br />
粘度測定のニーズは、これら顔料の凝集状態・分散安定化の開発・製造・評価にあると考えられます。</p>
<p>一方、インクジェット技術は、TFT液晶パネルの配向膜（基板の表面上に形成する膜）塗布に活用することも現実化しています。<br />
ナノグラムオーダの液滴を精密にコントロールして定量吐出することにより、均一で高品質な薄膜形成ができるのだそうです。<br />
インクジェット技術の活用の幅の広さが分かります。</p>
<p>それにしても、ハンダ付けで配線したラジオ・キットとは、もはや比較しようもないほどエッジ（先端）な世界ですね。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">インクの開発や機械稼働条件の最適化に活用される粘度</h2>
<p>液晶パネルの話が出たところで、これを足がかりに粘度を見ていきましょう。</p>
<p>ところで、文字や写真を印刷する家庭用プリンタの感覚からすると、インクジェット技術で膜（液晶パネルで言えば配向膜など）を作るというのは奇異な感じがするかもしれません。<br />
これを、赤い色を紙全面に塗ると考えれば、それはミクロ的に見れば、プリンタインクを膜として紙に塗り付けたと解釈できますね。</p>
<p>しかも現実には、膜どころか、３次元（立体）モデリングさえインクジェットで行うための研究が進められています。<br />
要は吐出する&#8221;インク&#8221;の面積と厚さのコントロールになるだけですから。</p>
<p>先程の回路基板プリントで言えば、配線だけでなく、インクを例えばセラミック粒子のものにすれば、ある種の実装パーツすらインクジェットで形成してしまうことも可能と考えられます。</p>
<p>ただし、それらはまだ先進的な技法であり、一般的に配線回路形成はフォトリソグラフ技術が多用されているのは前述の通りです。<br />
様々な膜面形成においても、スクリーン印刷、デスペンサー、スプレー塗布、スピンコート（回転中の対象媒体に溶液を滴下する）、ディップコート（溶液中に対象媒体を浸し、一定速度で引き上げる）といった従来の技法が広く用いられています。実際、回路基板には<br />
数多くの液状材料がそれぞれ機能を発揮するために塗布されています。<br />
液状材料には、例えば、含浸強化用樹脂液、電導性ペースト、部品固定用電導性接着剤、絶縁用インク材料などがありますが、基板の品質管理を確保する上では、これらの適正化が非常に重要となってきます。</p>
<p>液状材料は製造工程や塗布工程等においてそれぞれ特有の物性（粘度など）を持っており、塗布性やレベリング、膜厚、ダレなどをコントロールする上で、材料の変形や流動性を扱えるレオロジー的なアプローチは不可欠なものです。</p>
<p>レベリングとは、液状材料塗布後に流動し、塗布範囲において均一・平滑な膜を形成させること。膜厚が一定でない（塗布面に凹凸がある）ことは、特に微細な回路基板では不具合の要因ともなってしまいます。<br />
一般に粘度が低ければレベリング性は良くなりますが、逆にダレは生じやすくなります。</p>
<p>よりわかりやすい例を記します。<br />
回転式の塗布（スピンコート）では、遠心力で半ば強制的にレベリングが行われます。<br />
一方、インクジェットのような方式では&#8221;インク&#8221;を対象媒体に乗せるだけであり、重力以外、レベリングさせる応力が働きません。<br />
狙い通りにレベリングさせて均一な膜厚を得るには、まさに粘度調整、液状材料の組成の工夫（レベリング剤や揮発成分などの適正化）が求められるわけです。</p>
<p>以上をレオロジー面からまとめると「塗布膜のレベリング性はごく低いずり速度におけるペーストの流動性によって決まり、ダレないためには、一定の降伏値が必要」となります（※「レオロジー工学とその応用技術」より部分引用）。</p>
<p>ゆえに粘度計測は、材料の流動特性の調整や塗布条件の最適化を行う上での要と言えるのです。</p>
<p>しかし、これまで何度も本コラムでご説明しましたように、電導性ペーストをはじめ非ニュートン流体の物性は極めてつかみにくいものです。<br />
どういう条件下での粘度計測を実施するか、またその値が合理的な指標となりうるか、その判断は、やはり数多くの計測実績から帰納したノウハウが必要となります。<br />
粘度特性値と実ラインでの製品評価の相関を見出すことが最終的に求められる企業ノウハウと考えます。</p>
<p>サンプル測定から機械稼働条件の設定まで、ぜひ当社の技術・計測機器をご活用して頂くことを願っております。</p>
<p>※「レオロジー工学とその応用技術」<br />
（株式会社フジ・テクノシステム　2001年）</p>
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		<title>【9回】インクジェットの真髄</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:33:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[近年、インクジェット・プリンタの高画質化には目を見張るものがあります。 フィルムからの焼き付け（いわゆる従来の写真）と遜色の無い仕上がりとなることから、「写真」は、自分でプリントするのが普通のことにな...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>近年、インクジェット・プリンタの高画質化には目を見張るものがあります。<br />
フィルムからの焼き付け（いわゆる従来の写真）と遜色の無い仕上がりとなることから、「写真」は、自分でプリントするのが普通のことになりつつあります。<br />
そのインクジェット・プリントの最大の特徴と言えるのが、インクを微細なドロップ（水滴）として吹きつけ、文字や図柄、色を表現すること。<br />
写真、版を直接押し付けてインクを転写する印刷とも、描画の原理は大きく異なっています。<br />
特徴的であるとは、そこに技術の集約があることを意味します。</p>
<p>今回は、そうしたインクジェット・プリンタの技術を、レオロジーの視点から見ていきます。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">インクを飛ばすことの難しさ</h2>
<p>インクジェットのプリントでは、吹きつけられた微細なインク滴が１つの点（ドット）となり、その点が連続したり集積して面を構成することで、文字やグラフィックを媒体（紙）の上に表現しています。<br />
そもそも高精度なプリントとは、オリジナルの画像をきちんと再現し得たもの。<br />
そのためにはまず、インク滴が所定の着地点に正確に飛んでいく必要があります。<br />
これは単純な線画を思い浮かべると分かり易いでしょう。<br />
輪郭を構成する線、この線はドットの連続ですから、インク滴（ドット）が微妙にずれて着地したのでは、線が途切れたりガタガタになりますね。<br />
そうならないよう、インク滴を狙い通りに飛ばす工夫がまず大事になります。</p>
<p>一方、美しいプリントを作るためにはインクの高機能化も重要です。<br />
インク滴の正確な吐出技術、そしてインクの性能を決める成分構成の作り込み。<br />
この二つの最適なコントロールが、インクジェット技術最大の急所と言えます。</p>
<p>プリント品質の中でも、シャープさ、階調性といったものはドットの大きさに関係しています。<br />
プリンタ画像の精細さを示すのには解像度という基準が使われます。<br />
単位はdpiで、これは１インチ当たりに入るドット数を表しています。<br />
日本の大手プリンタ・メーカでは、スタンダードモデルでも4,800dpi（つまり１インチに4,800ドット）というスペックを持っており、この時１ドットを形成するインク滴の量は２ピコリットル（1plは1兆分の1リットル）なのだそうです。</p>
<p>ハイスペックモデルになると解像度は２倍の9,600dpi！　単位当たりのドット数が２倍になるのですから、当然、インク滴は半分の１ピコリットルです。</p>
<p>こうなると描画品質は格段に向上しますが、一方で余りに微小化すると、必要な位置に向けインク滴を正確に飛ばすことは難しくなっていきます。</p>
<p>特に、もともとサイズの大きい（･･･といってもナノメートル＝10億分の1メートル単位ですが！）顔料粒子では、解像度が上がるに従って対応が難しくなります。<br />
そのため家庭用プリンタでは、カラーは染料インク、くっきりとしたラインを描くためにブラックは顔料インクという構成が多くなっています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">顔料の分散安定技術</h2>
<p>次にインクの工夫を見ましょう。<br />
「写真」と品質を競うためには、発色が良い、耐水性・耐光性などに優れるといったインク特性が求められます。<br />
顔料インクを例にしましょう。</p>
<p>顔料インクは、粒子サイズの色材が溶けずに溶媒に存在するものです。<br />
紙繊維に染み込まず表面に固着して発色するため、滲みや退色が少なく、くっきり描ける特徴があります。<br />
しかしこの粒子構造は欠点にもなります。ナノメートルという微小な粒子であっても、そのままではインクタンクの中で沈降してしまいます。<br />
粒子同士がくっつき合えば、その傾向はなおさら進みます。<br />
溶媒と色材が極端に言えば分離しているわけですから、上澄み部分が吐出されてしまうと色は着きません。<br />
それではインクではありませんね。<br />
さらには、吐出ノズルでの目詰まりという問題も起きてきます。</p>
<p>そこで顔料インクを使うためには、顔料粒子を細かくし、溶剤に均一に分散している（沈降しない）状態を作りだすことが必要となります。<br />
これを顔料分散技術と言い、インクジェット・プリンタの品質を決める重要な技術となっています。</p>
<p>水性のインクジェット用インクではその８割程度が水で占められていますが、そこに水溶性でない顔料を分散させるためには、分散剤の添加が必要になります。<br />
顔料によってその大きさや親水性は異なりますから、開発するインクごとに最適な添加剤の量を決めていかねばなりません。</p>
<p>分散剤の添加によって、溶媒である水は粘度を増すことになります。<br />
つまり、分散剤を添加したインクの特性をつかむのに、粘度計測値が活用できることになります。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">インクの品質　－　粘度との関係</h2>
<p>適正な粘度を確保することは、微細なインク滴の安定した吐出にもつながります。<br />
粘度が高まるにつれ、ノズルを通過する際の摩擦力は増大し吐出スピードが低下します。<br />
結果、吐出量やサテライト（本滴の後ろにできる微小滴）の形状が不均一になり、印刷品質が落ちてしまいます。</p>
<p>例えば、大きなサテライトが媒体（紙）に着くと、シミや輪郭が滲んでいるように見えてしまいます。<br />
違う色のインク滴（ドット）で比較するとさらに理解しやすいかもしれません。<br />
プリントでは限られた色－－赤（マゼンタ）、青（シアン）、イエローが最小単位－－のドットを使って様々な色を表現しています。</p>
<p>例えば赤と青のドット数を規定の割合で使うことで紫色を作ります（正確には、紫に見える）。<br />
この時、色は違ってもドットの大きさが一定であることが前提です。<br />
それぞれの色のドット数が規定数であっても、ドットの大きさが違っていたのでは予定した色になりません。<br />
これはインク滴の着地点がズレてしまっても同じです。</p>
<p>つまり、インクの吐出では、指示位置へまっすぐに飛ばすこと、余分なサテライトを形成しないことが重要と言えます。<br />
そのためには、インク滴ができるだけ真球状になるよう設定するのが望ましいのですが、分散剤の添加により粘度の増加、他方で界面活性作用によって水（総体としてのインク）の表面張力が低下すると扁平した球になっていきます。</p>
<p>では粘度を極力下げれば解決かと言うと、今度は顔料粒子の分散安定性が低下してしまうのです。<br />
どちらに転んでも不具合につながるこの状況をどうバランスさせるか？<br />
インクメーカではその手段の１つとしてレオロジー特性を活用して理想値を探り、高品質なインクの研究開発、あるいは品質管理を行っているのです。</p>
<p>限りなく水に近い低粘性の物質を正確に計測するためには、やはり専門の技術とノウハウが必要です。<br />
東機産業では、粘度計測機器を扱う日本のパイオニア企業としてさまざまなサポートをご提供し、優れたインクジェット用インクを生み出していくことに貢献しています。</p>
<p>インクジェット用インクの粘度測定は、円錐平板型（コーン・プレート型）回転粘度計が適しております。<br />
一般的に分散安定性の評価には、低ずり速度（低回転速度）、ノズル吐出挙動の評価には、高いずり速度(高回転速度)での粘度値が用いられております。</p>
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		<title>【8回】美しいプリント</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:14:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[日常生活の中で、粘度計測が活用されているモノ、事柄について取り上げていく本コラム、今回は&#8221;インク&#8221;がテーマです。 身近なインク製品といえば、すぐにボールペンが思い浮かぶと思いま...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>日常生活の中で、粘度計測が活用されているモノ、事柄について取り上げていく本コラム、今回は&#8221;インク&#8221;がテーマです。</p>
<p>身近なインク製品といえば、すぐにボールペンが思い浮かぶと思います。<br />
ボールペンの仕組みや書き味は、まさに粘度コントロールの成果が生かされているものです。</p>
<p>一方ここ数年、急速に身近となったインク製品がパソコンのプリンタ（インクジェットプリンタ）です。<br />
この種類のプリンタは、その名の通り的確に管理されたインクを使って、今や、写真と見まがうほど美しい色や高精細な表現を可能にしています。<br />
そうしたインクを作るためには、やはり粘度が重要なカギの１つになっています。</p>
<p>今シリーズでは、このインクジェット・プリンタのインクにフォーカスをします。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">ボールペンの「滑らかな書き味」をめぐる歴史</h2>
<p>インクの特徴を理解するために「ボールペンの書き味」を例にしましょう。<br />
使用実感がありますから、感覚的な理解が進むと思います。</p>
<p>ボールペンの種類・その書き味は、そのインクの組成によって３つに大別できます。</p>
<p>まずはボールペン発明初期の時代。<br />
ボールペンのアイデアは19世紀末には既にあったようですが、実用化されたのは1943年、ハンガリー人の新聞の校正係・ラディスラオ・ピロの手によります。<br />
この時のインクは、高粘度の油に染料を溶かし込んだものでした。<br />
金属ペンと比べると格段にすらすら書けたものですが、インクが固まりやすい、裏写りや水に流れやすいなどの欠点がありました。</p>
<p>次いで水性インクが登場します。<br />
低粘度という性質からインクのボタ漏れ対策などが難しかったようで、本格的に実用化したのは、ぺんてる（株）の「ボールPentel」（国内発売は1972年）が最初だそうです。<br />
チップ（ペン先）を樹脂にしたこの水性ボールペンは、従来とはまったく違う書き味を実現しました。<br />
すこし年配の読者の方は、初めてボールPentelで書いた時の感覚を、ちょっとした驚きとして覚えておられるのではないでしょうか？</p>
<p>そしてさらに、「書き味はそのままで、滲みや液漏れしにくいインクはできないか」、そんな取り組みが続きます。<br />
さまざまなアプローチの中から誕生してきたのが水性ゲルインキボールペン。<br />
1984年に（株）サクラクレパスが世界で初めて開発した「ボールサイン」です。<br />
これはまさに、粘度の特徴（チキソトロピー性）を巧みに利用したもの。<br />
ペンの中では油性のように高粘性（ゲル状）をもって安定していますが、書く時にはボールの回転によって大きな&#8221;ずり&#8221;が加えられ、粘度が下がって水性インクのような滑らかな書き味を作り出します。<br />
それだけでなく、紙へ染み込んだ時には再びゲル化するため、滲みの無い筆跡を作り出せるのです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">インクジェット・プリンタの仕組み</h2>
<p>家庭用インクジェット・プリンタの高性能化は、実は、ボールペン革新の歴史に通じるものと言えます。<br />
成果（プリントアウト）から見ると、発色が良く耐環境性（水濡れによる滲みや、光・ガスによる退色など）に優れる必要があること。<br />
またハード的には、例えば均一なインク滴が生成できること、などが求められます。<br />
では、こうしたインクジェット・プリンタに適したインクとはどのようなものでしょうか。<br />
まずはプリンタの仕組みから見ていきましょう。</p>
<p>インクジェット・プリンタとは、微細なインク滴を高速で紙に吹きつけてプリントを行う方式のものです。<br />
このインク滴が紙に染みた点をドットと言い、この微小なドットを連ねたり敷き詰めることで文字や画像を形成します。通常の印刷のように、版に付けたインクを直接紙へ接触させ転写するのではなく、インク供給部（ヘッド）と紙が非接触、つまりヘッド内のノズルからインクを吐出させるという点がインクジェットプリントの大きな特徴と言えます。</p>
<p>インク滴の飛ばし方は大きく２つ、電気信号によって金属板を変形させてはじくもの（ピエゾ方式）、熱により気泡を発生させて押し出すもの（バブルジェット、サーマルジェット）があります。</p>
<p>このプリンタによる品質は、上で見たインク吐出部の精度、インクおよびプリント用紙（普通紙、コート紙、印画紙など）の性質に規定されます。<br />
中でも、最近はインクの高性能化が特に著しく、厳密に用紙を選択しなくとも鮮やかなプリントが実現できるようになっています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">染料と顔料はどう違うのか</h2>
<p>インクは溶媒、着色剤の差異によって種類が分けられます。<br />
これはボールペンもプリンタも同様です。</p>
<p>単純に言って、溶媒が油のものを油性インク、水（水性ゲルも含む）のものを水性インクと称します。<br />
そして着色剤の違いから、水性染料インク、油性顔料インクなどと分類されます。</p>
<p>そもそも、染料と顔料はどう違うのでしょうか？<br />
どちらも同じ着色素材として機能するものですが、染料は単分子構造で、水や油といった溶媒に溶け込んでいます。<br />
そして溶媒が紙などに染み込むことによって着色するものです。<br />
一方、顔料は溶媒に溶け込まずに粒子状態で溶媒に存在し、この粒子自体が発色するものです。<br />
こうした構造の違いからそれぞれインクとしての特性が違ってきます。</p>
<p>溶媒に溶け込む染料は発色の良さ、階調再現性に優れています。<br />
ただ、プリント対象物に染み込むことから水に濡れた際には滲んでしまうこともあります。<br />
また光などの環境負荷に弱く、退色しやすい欠点を持ちます。<br />
逆に顔料は安定した分子構造のままプリント対象物に固着するため、耐水性・耐光性が良く、水の浸透によっても滲み難いプリントとなります。</p>
<p>現在のところ、家庭用インクジェット・プリンタでは染料インクが多く使われています。<br />
なぜでしょうか？<br />
１つには染料インクは均一性が良く、微細な水滴として吐出するインクジェットの構造に適しているからだと言えます。<br />
つまり、粒子が溶剤に存在する顔料インクは溶液としての安定性が悪く、粒子によってノズルの目詰まりを起こしやすいといった欠点を持つからです。<br />
しかし、顔料インクでの発色も向上してきたこと、なによりプリント後の保存性に優れることから、徐々に顔料インクの採用が進んできています。</p>
<p>さて、ここでようやく粘度コントロールが登場します。<br />
それもかなり難しい部類の、微妙なコントロールを要するものです。<br />
インクをスムーズに吐出するには粘度は低い方が良い。<br />
一方、顔料を使ってプリント物の安定性を高めるのであれば分散安定剤の使用が不可欠となり、粘度は上がってしまう。<br />
プリンタやインクの製作サイドでは、この相反する課題の解決が求められるのです。</p>
<p>次回は、これらの情報についてまとめてみます。</p>
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			</item>
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		<title>【7回】接着剤が創る文化</title>
		<link>https://tokisangyo.co.jp/post7/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 06:01:50 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[紀元前から生活文化と結びついた接着剤 これまで２回にわたり、&#8221;ものがくっつく&#8221;ということの基礎知識、接着剤が現代社会で非常に多用されていること。 そして、その製品開発や管理に粘...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">紀元前から生活文化と結びついた接着剤</h2>
<p>これまで２回にわたり、&#8221;ものがくっつく&#8221;ということの基礎知識、接着剤が現代社会で非常に多用されていること。<br />
そして、その製品開発や管理に粘度が深く関わっていることを見てきました。<br />
今回は「接着剤」編の最後として、少し息を抜いた話題をお届けいたします。</p>
<p>そもそも、私たちが思うより遥か昔から接着剤は存在していました。<br />
世界最古の文明、メソポタミア文明のシュメールで、貝殻と青い宝石ラピスラズリ（青金石、古くは瑠璃と言いました）をピッチで固定した品が出土しています（B.C.2700年頃と推定）。<br />
このピッチは、天然アスファルトと推定されるため、必然的に世界最古の接着剤は「アスファルト」が定説となっています。<br />
ちなみに、アスファルトは原油からの生成物。<br />
似たものでコールタールは、石炭乾留時に得られる副産物です。</p>
<p>また、アスファルトは旧約聖書の『ノアの方舟』や『バベルの塔』の一説にも記述されています。<br />
方舟のシーリングとして、そして塔に積み上げるれんがの接着にアスファルトを用いたと訳されており、まさに現代での接着剤の活用に通じるものです。</p>
<p>日本でもアスファルトを接着剤として使ったものは、縄文時代の遺跡から出土しています。</p>
<p>例えば新潟県の大坂上道遺跡（約4,500～2,500年前）の集落跡からは、アスファルトを保管した土器が出土しています。<br />
他の遺跡からもアスファルトがついた「やじり」や「もりの先」が出土しており、それぞれを柄に接着するのに使われたとされています。<br />
もちろん、土器類の補修に使われた例もあります。</p>
<p>当時のアスファルトは自然に湧出するものですから、自ずと生産地は秋田県から新潟県にいたる石油鉱床地帯が中心。<br />
北海道の遺跡から見つかったアスファルトも、その成分分析によって秋田県出自のものであることが確かめられた例があります。<br />
ということは、縄文人がアスファルトを土器に詰めて本州から北海道へ渡ったことの傍証となり、縄文文化の有り様をとらえ直す一例にもなっています。<br />
古代アスファルトは時を越え、機能の代わりに文化的価値を現代の私たちに提供しているようですね。</p>
<p>さて、時代が下っていく中、石工文化の伝統を引き継ぐヨーロッパでは、アスファルトは接着するというだけでなく、道路の舗装といった大掛かりな利用へと進んでいきました。<br />
対して木工文化が発達していったアジアでは、植物由来の漆（うるし）や澱粉、動物由来の膠（にかわ）といった接着剤が、鉱物由来のアスファルトに取って代わるように広まっていきます。</p>
<p>ことに日本では、漆は単なる接着剤ではなく、工芸品に欠かせない素材として独自の進化を見ました。<br />
アスファルトと同じように「やじり」等を接着した例も出ていますが、独特の色を生かした塗料として古くから利用され始めました。<br />
工芸品の世界では漆器の通称が&#8221;japan&#8221;であるように、漆はまさに日本が誇るべき第一級の美術品を演出しています。<br />
ちなみに、磁器の通称は&#8221;china&#8221;です。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">工業生産物を発展させた陰の主役！？</h2>
<p>接着に話しを戻しましょう。</p>
<p>産業革命によって金属機械工業が発展していくと、金属は単純な素材（器など）としてではなく、複数部品を組み合わせた「機械装置」へと進化し、それらは次々と作り出されていきました。<br />
道具の部品となる金属を強固につなぐためには、近代以前に使われていた接着剤ではもはや役不足になってきます。<br />
金属時代に適した接合のため、母材を溶かして固める溶接や、お互いの端を折り込んでつぶす&#8221;かしめ&#8221;、リベットやボルト・ナットのような技法が生み出されました。<br />
これらは現代にあっても、金属産業の標準的な手法として活用され続けています。</p>
<p>その一方で、第２次大戦後には素材（分子構造）に関する研究が飛躍的に進んでいきました。<br />
従来の動植物や鉱物といった自然由来の素材だけでなく、合成といった人為的な技法によって、人間がハンドリングできる素材は百花繚乱のごとく生み出されていきます。<br />
特に、合成高分子を中心とした新素材が金属に置き代わってさまざまな工業製品として生産されるようになると、再び接着剤がものづくりの&#8221;主要スタッフ&#8221;として返り咲いてきました。</p>
<p>単純な例ですが、固いプラスチックを接合するのに、ビス止めしたのでは割れや欠けを生じさせてしまいます。<br />
かといって、糊（澱粉）では接合強度が足りません。<br />
新しい素材には、やはり適した接着剤・接着方法が求められてきたのだと言えます。</p>
<p>「必要は発明の母」の言葉通り、新素材開発の成果は、それを必要十分に接合する接着剤を同時に生み出します。<br />
しかもその新しい接着剤は、従来より格段に高い接着能力や新たな機能を備えている必要があります。<br />
こうした接着剤の進化は「接着革命」とでも言うべきもので、産業全体（製品とその生産工程など）に多大な影響を与えていくことになります。</p>
<p>飛行機を例にとってみましょう。<br />
現在、飛行機の機体組立では、接着剤が多工程で使用されています。<br />
もちろん強度や劣化に極めて強い構造用接着剤です。<br />
これが開発されるまでは、機体を構成する金属部品の接合には、前述の溶接、リベット、ボルト・ナット等が用いられてきました。<br />
ところが、溶接は劣化、リベットやボルト・ナットなどの点接合では応力が過度に集中する（金属疲労の一因）、経年で締めつけが弛む、重量が重くなるなどの弱点がありました。</p>
<p>対して、接着剤による接合が可能になったことにより、広い面積を接合でき応力も分散する、金属と金属以外の素材を接合できるなど、安全性の向上＋αのメリットが出てきました。<br />
溶接やリベット、ボルト・ナットを使用しないことは、それだけで機体重量を低減することにつながります。<br />
非金属材や薄板金属を使用できることも同様です。<br />
移動体の軽量化は高速化や省エネルギー化につながり、基本性能の向上最終的にサービスの向上へとも関連しているのです。</p>
<p>もう１つ、接着剤の活用は、工業製品のデザインにも飛躍的な自由度を与えました。<br />
あの官能的な形状をした車を楽しめるのも、接着剤があってこそ、かもしれません。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">機能の進化と接着剤の課題</h2>
<p>接着剤の進歩が従来の製造工程や製品の仕様を変革していった例を見ましたが、さらに接着剤の活用が進んでいくと、単にものを接合するという「性能」だけでなく、他の部品と同じように「機能」が求められるようになってきました。<br />
こうしたものを「機能性接着剤」と呼称し、さまざまなニーズを集めています。<br />
飛行機や自動車の車体製造に使われる構造用接着剤も、過大な荷重に耐えるほか耐熱や耐薬品性等が求められ、機能性接着剤の１ジャンルになっています。<br />
接着剤の耐熱強度の向上は、複雑な金型を分割加工し接着することにより大幅なコストダウンが可能となりつつあります。</p>
<p>より大きな荷重が掛かる部品を接合したい、逆にミクロンレベルの部品を接合したい、水中コンクリートの接合に用いたいなど、接着剤への要求がシビアになってくるにつれ、接着剤の機能もきちんと定量的にコントロールされることが必要になります。</p>
<p>コントロールが必要となる要素とは、１つには『接着スピード』です。<br />
「硬化の早さ」という言葉でも表されます。<br />
瞬間接着剤などは硬化スピードが早いものの代表例ですね。</p>
<p>２つ目には『硬化の仕方』。<br />
塗布されてからの経過時間ではなく、他の要因によって硬化のタイミングを取ることを目的とします。<br />
接合する部材同士の接触によって、あるいは紫外線の照射、電子線の照射などがあり、使用状況に適した硬化の「きっかけ」を創り出しています。</p>
<p>３つ目に『硬化後の特性』があります。<br />
「透明性」などがわかりやすい例でしょう。<br />
レンズを接着する場合、接着剤にも同様な屈折率（透明性）がないとレンズとしての目的を達せられません。<br />
その他、航空宇宙用途で使用される「耐熱性」、液化ガス貯蔵タンク等で用いられる「極低温用」、あるいは「電導性」「弾性」などの確保を目的に、接着剤が必要なスペックを満たすよう能力がコントロールされています。</p>
<p>このように、接着剤はかなり厳しいスペック要求に応えることでさまざまな工業製品の開発・製造に活用されています。近年は工業用途ばかりでなく医療用途（組織接着用、歯科用など）にまで広がり、私たちの社会生活を密かに、そして強力に下支えしているのです。</p>
<p>最後に、接着剤の進化としてもう一度環境との関わりに戻りましょう。<br />
「接着剤編」の初回（コラム第５回）で、接着剤や建築部材に含まれる揮発性有機化合物(VOC)によるシックハウス症候群について触れました。<br />
VOC以外にも、接着剤の溶剤や廃液の適正な処理、半導体実装のハンダに含まれる鉛の処理など、接着関連全般で見ると、まだいくつかの課題が存在します。<br />
これらに対して、有機溶剤によらない接着剤や水性・水溶性、生分解性高分子の接着剤など、接着剤自体をエコロジーなものへと転換していく試みは、現在様々に進められています。</p>
<p>また、出来るだけ環境リスクの少ない接着方法に代替・転換を図るアプローチもあります。<br />
この例では、ハンダに代わる熱可塑性の導電性接着剤として、金属ナノ粒子による導電性ペーストなどが開発されています。</p>
<p>そして環境視点において、今後重要機能の１つになると言われているものが「剥離性」です。<br />
使用後の製品は、部品レベルで出来るだけ細かく分解できるように設計する。<br />
そして、分解部品の再利用と廃棄への道筋を予め想定しておくのがライフ・サイクル・アセスメント（LCA）の考えで、日本のメーカは積極的に製品開発に取り入れています。<br />
この時、部品を取り外しやすくするために、接着剤の剥離性を高めることが研究課題になっています。<br />
種々の条件下で強力な接着力を確保すること、しかし、必要な時に剥がし易くする。<br />
一見矛盾をはらんだニーズですね。<br />
しかしこれは、もはや接着剤無しでは工業化社会が成り立たない状況だからこそ、必要で危急なテーマとなっているのです。<br />
熱剥離型のエポキシ樹脂系接着剤、熱によって膨張するマイクロカプセルや水を吸って硬化する樹脂を混入した接着剤など、既に開発は進み始めています。</p>
<p>接着剤は、新しい素材の開発と利用ニーズの高度化によって、まだまだ進化を続けていきそうです。</p>
<p>接着剤の製品開発や品質管理において、一般性状試験（JISK6833接着剤の一般試験方法は改定見直中）として重要な試験である粘度計測も、これからますます活躍の場が増えていくでしょう。</p>
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		<title>【6回】接着剤の品質管理</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 00:28:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[粘度は、その物質の特性を表す重要な指標の１つとなっています。 接着剤工業では製品開発や品質管理に早くから粘度を活用しており、その標準化を図ってきました。 結果、レオロジー特性の研究が進展するに伴って、...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>粘度は、その物質の特性を表す重要な指標の１つとなっています。<br />
接着剤工業では製品開発や品質管理に早くから粘度を活用しており、その標準化を図ってきました。<br />
結果、レオロジー特性の研究が進展するに伴って、多様化・高度化した用途に対応する接着剤がさまざまに実現しています。<br />
これら接着剤は、実際の作業条件に合わせた適切な性質（非ニュートン性、チクソトロピー、降伏値　等）が与えられています。<br />
接着剤塗布時の作業性や仕上がりの品質（接着強さ、滑らかさ（レベリング）、タレない　等）は、いわば、レオロジー特性によってコントロールが可能となっているのです。</p>
<p>今回は接着剤の性能評価について、粘度計測との関わりからまとめてみます。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">接着剤の作業性とその評価</h2>
<p>接着剤をはじめ、塗料やコーティング材など現在の工業製品製造に欠かせないこれら素材について、粘度測定を行う目的は大きくは次のように集約できます。</p>
<p><strong>（１）流動挙動は製品の均一性と品質の間接的な物差しとなる。<br />
（２）物質の特性化・差別化に最も感度のよい方法である(分子量・分子量分布・粒度・粒度分布・濃度・構造の度合いなど)。<br />
（３）作業性の直接評価ができる(塗布性・ポンプ輸送時の動力・塗膜厚管理・タレ性・レベリング性など)。</strong></p>
<p>接着剤は硬化後に所定の機能を果たせることが前提ですが、それと同時に、上記（３）にある作業性（の良さ）も非常に重要な商品特性となっています。<br />
ビル建築などを想定すると分かり易いと思いますが、接着剤を使用する箇所・量は非常に多く、製品が扱いやすい特性であることは工期や工程に大きく関わってきます。<br />
特にタレ性やレベリング性は、作業性の良さを評価する重要なファクターです。<br />
ただし両者は、「レベリングしやすい＝タレ易い」というトレードオフの関係にあり、そのちょうど良い設定を材料メーカ各社が競っています。</p>
<p>作業性についてもう少し具体的に見てみましょう。</p>
<p>実際の作業現場では、「壁面塗布でタレる」「塗布のくし目後が残る」「刷毛からタレる」「のびが悪く疲れる」「カートリッジから出にくい」等が挙げられています。<br />
こうしたクレームは、塗布の方法・作業目的・用途において、それぞれ相反した性能が要求されていることに起因しています。<br />
従って、より適した接着剤を選択するために、使用に際してその性能評価が必須となります。</p>
<p>しかし、塗布性の評価方法は種々ありますがいずれも科学的な定量性確保に乏しく、経験に頼った試行錯誤の方法で行われることが多いのが現状です。<br />
そこで業界においても、標準的な評価手法を確立する試みが進められています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">規格化が進められているプラグフォーマー法</h2>
<p>現在、規格化（FDIS 14678）が進められている品質の測定方法に、プラグフォーマー試験機を用いたタレ試験（sagging）があります。<br />
これは試験機凹部に被験対象の接着剤を充填し、表面を平滑にした後に試験機を垂直に立て、凹部にある接着剤を押し出し（凹部の底は稼働構造になっています）、垂れる距離とその時間を測定します。<br />
また、流動性が大きい試料では、押し出さないで凹部から垂れてくる距離を測定します。</p>
<p>プラグフォーマー法は、以下のような特長を持っています。</p>
<p>（１）流動性の大きい試料から建築用フロア仕上材、シーリング剤まで、幅広く接着剤の垂れ性を評価できる。<br />
（２）サンプルセッティング（プラグヘの試料充填）に個人差が少ない。<br />
（３）繰作性が良く簡便である。</p>
<p>以上の点から、接着剤一般のタレ性評価方法としてデータが参照されるようになっています。</p>
<p>しかし、いかにサンプルセッティングが簡易だとはいえ、複雑な物性を持つ高分子構造体、例えば接着剤に一般的なチキソトロピー性材では、事前の状態調整(温度、攪拌等の負荷）によって大きな差が生じることが明らかになっています。<br />
簡単に言えば、どういう条件でテストするかによって、タレ具合が大きく変化してしまうということです。<br />
このように、事前の状態調整と試験者の充填方法に大きく依存してしまう点において、プラグフォーマー法による計測も必ずしも定量的手法と言い難い面を持っています。</p>
<p>製品の物性や品質評価には、定量的、科学的で、試験者によって誤差の出にくい測定を行うことがやはり大事なってきます。<br />
その手段の１つが、直接的にタレを計測するのではなく、接着剤の粘度計測を活用してその特性を評価することなのです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">結局、最適な試験方法とは？</h2>
<p>多くの接着剤は前述のように非ニュートン性の材質であり、粘度はずり速度によって大きく変化します。<br />
そのため、作業性（レベリングやタレ性）を評価するときには、降伏値や低いずり速度での粘度挙動を測定することが重要になってきます。<br />
簡易測定器具によるプラグフォーマー法では、そうした条件設定を確実にすることが難しいのは前述の通りですが、一方、粘度測定では、粘度計で定量的にずり負荷を与えてから粘度測定を実施することは極めて容易です。</p>
<p>少し具体的に見てみましょう。</p>
<p>プラグフォーマー法によるタレ量と粘度特性値の１つである非ニュートン係数μ（3゜コーンロータの0.5rpmの粘度に相当）に相関することが種々の実験結果から明らかになっています。<br />
これは、一般的な粘度計を使った0.5rpmの一点測定の結果から、目的とする材料のタレ特性が判断出来ることを意味します。<br />
さまざまな手順を踏むといった面倒な試験をこなさなくとも、粘度計測という定量的かつ簡便な手法で、作業性や品質における信頼性の高いが評価が可能となります。</p>
<p>しかしながら、接着剤は複雑な高分子構造の複合製品であり、素材のレオロジー特性が製品へと反映されています。<br />
例えば、温度やずり速度に大きく依存するチクソトロピー性に対応した評価を行うには、やはり&#8221;粘度のプロ&#8221;の測定ノウハウが必要となるケースも出てきます。</p>
<p>当社では、長年にわたり蓄積してきました様々なデータや経験を元に、最適なサポートをご提供することが可能です。</p>
<p>接着剤における品質管理や研究において、粘度計測をぜひご活用ください。</p>
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		<title>【5回】接着の基礎知識</title>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 00:24:53 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[現代社会は、まさにものづくりの時代です。 建造物や車、服、家電、そして食べ物（調理品）も、私たちが日常に触れる多くのものが「製品」と言えます。 そこでは、品質を前提に&#8221;早く安く作る&#82...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>現代社会は、まさにものづくりの時代です。<br />
建造物や車、服、家電、そして食べ物（調理品）も、私たちが日常に触れる多くのものが「製品」と言えます。<br />
そこでは、品質を前提に&#8221;早く安く作る&#8221;ための技術競争が行われています。<br />
そうしたモノづくりの重要な技術の一つが、接着剤の活用です。<br />
接着剤は、きわめて大ざっぱに言えば、「種々の高分子材料を溶剤に溶かした、あるいは混合させたもの」です。<br />
これまでの本コラムをお読み頂いた方は、「ははぁ、それで粘度が関わるのか」と、ピンと来るのではないでしょうか。<br />
実際、この接着剤の開発や品質管理において、粘度計測は重要な役割を担っています。</p>
<p>それでは、私たちの身の回りの製品と接着、そして粘度との関わりについて見ていきましょう。<br />
今回はまず、接着の基礎知識について概観したいと思います。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">接着によって作られる家？</h2>
<p>私たちが手にするほとんどの製品は、構成部品の組み合わせによって出来ています。<br />
家電製品だけでなく、自動車でも家屋でも服でもそれは同様です。<br />
したがって、組立時間を短縮できれば、その製品にとって納期やコスト面で大きなアドバンテージです。</p>
<p>例えば家屋。昔は大工さんという専門の技術者が、まさに手作りで組み上げていました。<br />
こうした匠達が作った家は価値があるものですが、やはり相応の費用や期間がかかってしまいます。</p>
<p>では、製品としての家屋を考えた時、全体の作業工数を減らして他社との競争優位を得るには、どのような基礎技術が必要でしょうか？</p>
<p>その必殺ワザの１つが、部品の接着なのです。<br />
出来るだけ構成部品をユニット化し、現場では加工レスで組み合わせる。<br />
そして接着で固定??、単純に言えばそんな工程です。<br />
現代の接着剤は、強度や耐久性において極めて高いレベルにあるのです。</p>
<p>もっともイメージし易いのが、フローリング床工事でしょう。<br />
レール状の板それぞれの端を釘打ちしたり、寄せ木細工のように精密に組み合わせて固定するより、同等な品質が得られるなら、板材を接着して仕上げた方が効率的なのは明らかです。<br />
他に、壁のクロスや幅木、ネダ、ドア枠、浴室タイル材の接着はもとより、骨組みや外壁の接着まで、現代工法による家屋では接着が幅広く活用されています。</p>
<p>ところが、さまざまな利点を持つ接着工法ですが、一面でシックハウス等の問題も生じています。<br />
近年話題となることの多いシックハウス症候群は、接着剤や建築部材に含まれるホルムアルデヒドなど、揮発性有機化合物(VOC)が主たる要因とされています。<br />
VOCが部屋に放出されることで過敏な方が反応し、頭痛や吐き気のほか、さまざまな心身の不調があらわれるものです。<br />
接着剤メーカでは発症防止のため、ホルムアルデヒド等を含まない、あるいは低濃度にした、できるだけ安全な部品・製品の開発を進めています。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">接着するリクツとは？</h2>
<p>粘度計測の話に入る前に、「接着する」についてもう少し話を続けます。<br />
そもそも、モノがくっつくとはどういうことでしょうか。<br />
接着とは、接着剤によって「２つの面が化学的もしくは物理的な力、またその両者によって一体化された状態」と定義されています。<br />
そして、一体化する原理として、「機械的結合」「物理的相互作用」「化学的相互作用」の大きく３つが挙げられています。</p>
<p>このうち、もっとも基本的な原理とされているのが「物理的相互作用」で、接着する相互の物質（被着材）及び接着剤の、分子間の引き合う力（ファン・デル・ワールス力）です。<br />
それぞれ分子が安定的に引き合っているために、相互の物質は離れないというわけです。</p>
<p>直感的に理解しやすいのが「機械的結合」です。<br />
被着材相互の表面に存在する微小な孔に接着剤が入り込み、そこで固まることで両者が抜けなくなるというものです。<br />
これは「アンカー効果(投錨効果)」と呼ばれています。</p>
<p>接着にはこうした複数の原理が関係し、実際にくっついている状態でもその仕組みは簡単に特定できないようです。</p>
<p>一方、接着剤にはどのような種類があるのでしょうか。<br />
これについては、溶剤に溶けている（混合する）主材料で分類するのが一般的です。<br />
主成分が無機系か有機系か、有機系の中でも天然系か合成系か、さらに合成系の中でも主成分である高分子材料の性質によって分けられています。<br />
ここでは粘度との関わりを見る基礎知識として、硬化方法による違いから接着剤の種類を押さえておきましょう。</p>
<p>（１）溶剤蒸発形<br />
溶剤が蒸発することによって固まるタイプ。主流である有機溶剤では、硬化と引き換えにVOCを発生させてしまいます。</p>
<p>（２）水蒸発形<br />
水分の蒸発や吸収などによって固まるものです。木工用ボンドなどが代表で、エマルジョン系とラテックス系があります。<br />
エマルジョンとは、マヨネーズのように油分と水分が分離しない状態のもの。<br />
&#8220;界面活性剤&#8221;の働きにより、高分子材料を安定的に水の中に分散させています。</p>
<p>（３）ホットメルト<br />
冷えると固まるタイプの接着剤。製本で使われる糊（のり）、ハンダやアスファルトなどがこの類です。</p>
<p>（４）化学反応形<br />
触媒の添加や湿気等の要因で硬化するものです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color:#000000;">塗布性に優れた接着剤の開発</h2>
<p>接着剤の活用がモノづくりの主要技法になったことで、単に貼り合わせるだけではなく、そこに多様な性質や機能を付加することが求められるようになりました。</p>
<p>例えば、硬化のスピードや硬化後の性質などです。<br />
カーテンウォール工法におけるシーリング材なども、多様な接着剤の一種です。<br />
カーテンウォール工法とは、定型パーツ化された外壁を骨組みに組み付けていくもの。<br />
全面ガラス張りのビルなどがありますが、これなどはカーテンウォール工法の代表例と言えます。<br />
ここでのシーリング材は、主目的であるパーツ間の水密性のほか、構造体への追随性や自身の耐久性等において、高度なクォリティとコスト性が要求されているものです。</p>
<p>シーリング材（接着剤全般に言えることですが）の機能としてもう一つ忘れてはならないものが、効率的な塗布性の確保。<br />
要するに、接着剤を塗ったり注入したりする作業のし易さ、ということです。</p>
<p>垂直面に接着剤を塗布する場面を想像してみてください。<br />
ユルくて、塗ったそばから垂れるようではとても作業になりません。<br />
逆に垂れないのは良いけれど、カタ過ぎて注入や塗り延ばすのに多大な労力を必要とするのでは、これもまた作業性に問題があります。<br />
接着という機能を満たしながら、同時に作業性の良さを合わせ持つ。<br />
そんな接着剤に作るためには、接着剤のタレ具合、ほとんどの場合その粘度が適正に保たれていなければなりません。</p>
<p>さて、ようやくここで粘度計測が関わってきました。<br />
接着剤の製造や管理には、粘度計測が重要な役割を果たします。</p>
<p>次回はこの当たりに焦点を絞って見ていくことにしましょう。</p>
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		<title>【4回】料理と酒と粘度</title>
		<link>https://tokisangyo.co.jp/post4/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[toki-koukai]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 24 Jan 2022 00:21:15 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[なるほど！コラム]]></category>
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					<description><![CDATA[「日常生活と粘度」をテーマに、これまで３つのコラムを掲載してきました。 今回はこのシリーズの番外編として、「柔らかいネタ」で締めくくりたいと思います。 「マヨネーズ」とは何者か？ 味には、化学的な味と...]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「日常生活と粘度」をテーマに、これまで３つのコラムを掲載してきました。<br />
今回はこのシリーズの番外編として、「柔らかいネタ」で締めくくりたいと思います。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">「マヨネーズ」とは何者か？</h2>
<p>味には、化学的な味と物理的な味があることを１回目のコラムで紹介しました。<br />
物理的な味とは主として食感によって構成されるもので、テクスチャと呼ばれています。このテクスチャをいかに「美味しそうに」仕上げるか、それが現代の加工食品では非常に重要な問題となっているわけです。<br />
さらには、食品成分が違うにもかかわらず、マジックのようにテクスチャをコントロールすることで、モデル食品と「同じ味」を作り出すことにも活用されています。<br />
これは例えば、カロリーを減らしながら同じ味、食感が楽しめるということです。</p>
<p>さて、「マヨネーズ」という調味料があります。「マヨラー」という言葉が生み出されるほど、熱烈なファンを獲得している存在ですね。<br />
ところがちょっとだけ残念なことに、カロリーが高いというウィークポイント(もちろん、気にしない人もいますが)があります。<br />
そこで生み出されたのが、&#8221;カロリー半分&#8221;や&#8221;カロリー７０％カット&#8221;といったマヨネーズ。<br />
植物油等の使用量を控えることで、カロリーをコントロールしたものです。<br />
「味」は同じでカロリー控えめ、いいことづくめのマヨネーズですね。<br />
ところがこれ、実はマヨネーズではないのです。<br />
もしお手元に、まだパッケージに入ったままのカロリーコントロール・タイプのマヨネーズありましたら、ぜひ食品表示欄をご覧になってください。<br />
食品名には、「クリーミィー（タイプ）・ドレッシング」などと標記されているはずです。<br />
&#8220;普通のマヨネーズ&#8221;は、ちゃんと「マヨネーズ」と書いてありますから、JAS規格上、これら２つは全く別な種類の食品なのです。<br />
JASでは「マヨネーズ」と表記してよい食品構成がきちんと決まっており、油分については65％以上となっています。<br />
「油分50％カット」ではダメなのです。</p>
<p>とはいっても、「化学的な味も食感も、同じじゃないか」というのが一般的な感覚でしょう。<br />
実際、おそらく大多数の人には、両者の区別などつかないはずです。<br />
カロリーが半分だろうが、７０％カットであろうが、マヨネーズはマヨネーズです。</p>
<p>しかしながら、よくよく考えてみると、油分がすくないのに同じ食感というのはおかしいですね。<br />
答えは、増粘剤。絶妙なテクスチャー・コントロールがそこに施されているわけです。<br />
例えれば、顔はそっくりだけど兄弟ではない２人。<br />
実生活なら、何かとまずい場面が生じるかもしれません。<br />
確実に見分けるには、現代では「DNA鑑定」ということになるのでしょう。<br />
これが食品の世界では、そこまで大掛かりなことをしなくても、粘度計測で両者の違いを浮き彫りにできます。<br />
食品成分が違えば、当然、粘度特性は異なります。<br />
いくらそっくりさんでも、素性の違いは明らかになるのです。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">「天ぷら」を科学するポイント</h2>
<p>今度は、調理と粘度のお話です。</p>
<p>料理人の腕がものを言う食べ物といえば、天ぷらもその１つ。<br />
材料は、ネタと粉（に水）と油。ネタに粉をつけて揚げるだけという極めてシンプルな作り方のなかで、ネタの持ち味が最大限に生きるよう職人さんは腕をふるっています。<br />
家庭で作るとどうしても、衣が油を余分に吸い込んだ、ボテっとしたものに仕上がりがちです。<br />
そこで、店で食すようにはいきませんが、せめてカラっと揚げるのに、粉と油に気を配るぐらいは家庭でもできます。</p>
<p>１つ、粉は薄力粉より扱いやすい「天ぷら粉」を使うこと。<br />
２つ、揚げ油は、できるだけ新しく、油ぎれが良いタイプの油を使うこと。</p>
<p>そもそも天ぷらとは、衣の中の水分が揚げ油と交換されて表面はからっとしながら、中身のネタは蒸し焼き状態になり、うま味が凝縮された料理です。<br />
まず、水分と油のスムーズな交換を邪魔するのが粉の状態。<br />
いわゆる「ダレた衣」というものです。<br />
小麦粉を水で溶く時に、水の温度が高かったり力任せにこねたりするとグルテンを生じます。<br />
このグルテンが水←→油交換の邪魔をします。<br />
グルテンの生成を抑えるためには、冷たい水で少しずつ溶くこと、ベーキングパウダーを入れたり、タンパク質の比率が低い専用の「てんぷら粉」を使用する、などがあります。</p>
<p>某社の天ぷら粉は、「小麦粉はもちろん、パンプキンパウダー（特許取得済）や卵粉、ベーキングパウダーや乳化剤など」を混合したものだそうで、カラッとした天ぷらを作るため、製粉各社も技術を競っているのです。</p>
<p>一方の揚げ油、せっかくサクっと仕上がっても、油切れが悪いと元の木阿弥です。<br />
そのため、できるだけ&#8221;疲れていない&#8221;新品の油を使うこと。<br />
最適な温度で揚げることが重要なのだそうです。<br />
揚げる技術の要諦は、１にも２にも油の温度管理と言われます。<br />
適温（ネタの種類によって上下10℃ほどの幅があるものの、通常180℃前後）を保って揚げること。<br />
温度が低いと油の粘度が高く、べタっとしたものに仕上がります。<br />
では、高温でガーっと揚げてしまえばいいのかと言うと、確かに油の粘度は下がりますが、腕が伴わないと「衣は焦げて中はナマ」という、これまた食すに値しない結果を生じやすいのです。<br />
そればかりでなく、油の酸化を進めてしまいます。<br />
さらに言えば、何度も使用した油も酸化によって劣化が進み、粘度が上がります。<br />
結果、あぶら切れの悪い、胸焼けしそうな天ぷらとなってしまうのです。</p>
<p>日本を代表する伝統料理も、&#8221;科学フィルター&#8221;を通すと、そこに粘度コントロールという技術要因が入っていることがお分かり頂けるでしょう。</p>
<h2 class="style4a" style="border-color: #000000;">「コクがあるのにキレがある」の難題</h2>
<p>天ぷらで一杯、これもまた「日本人に生まれて良かった」という至福を味合わせてくれる組み合わせ。<br />
日本酒もいいですが、キリッとしたビールはあと口をすっきりさせ、ついつい揚げたてを食べ過ぎてしまいます。</p>
<p>では、お酒と粘度について少し見ていきましょう。<br />
お酒はアルコール分や含有エキスによって、水とは違うお酒ならではのテクスチャーを持っていますね。<br />
のど越し具合など、粘性の違いとしてとらえることができそうです。<br />
そこで、お酒の種類ごとに粘度のサンプル測定してみると（恒温槽内で20℃）、ウイスキー(アルコール度数43)　→3mPa・s、日本酒(同　19以上20未満)　→2.52mPa・s、ワイン（同　11）　→1.84mPa・s、ビール（同　4.5）　→1.67mPa・sという値がえられ、アルコール濃度の高いものほど粘度は高くなることが分かります。</p>
<p>ところが面白いことに、粘度はアルコール度数に比例して上がっていくのかというと、そうはならないのです。<br />
エチルアルコール水溶液による計測では、濃度が45％付近で最高値の2.9mPa・sに達した後、以降は次第に減少していきます。<br />
アルコール水溶液の粘度はアルコール分子と水分子が水素結合により会合を起こすために増大していきますが、アルコールが一定濃度で飽和状態になるとそれ以上の会合は行われず、純アルコール分子が増加するだけ粘度は減少していくのです。<br />
アルコール度数が高いお酒が、必ずしもトロっとしたテクスチャーを持つわけではないのです。</p>
<p>さてここで、コクとキレの話。日本中にドライブームを巻き起こしたあのビール、ここで２つの点に着目してみましょう。</p>
<p>１つは、「スーパードライ」が小売りビールの標準的アルコール度数を上げた点。<br />
それまで、ほとんどの製品は4.5％程度でした。<br />
ところが、&#8221;ドライ&#8221;を標榜したあのビールでは、アルコール度数は従来より高目の5%にされました。<br />
今ではほとんどの標準的ビールが5％以上になっています。</p>
<p>２つ目の着目点が、「コクがあるのにキレがある」を達成したことです。<br />
アルコール度数が高くなると、同時に粘度も高まるのは先程述べた通りです。<br />
度数を高めることは、結果としてコクを高めることにつながっていますが（発泡酒の場合、そうとも言えません）、一方でノド越しのキレは悪くなります。<br />
これを解決しなければ「コクがあるのにキレがある」とはなりません。<br />
「炭酸圧を高めにして～」など諸説言われましたが、実際のところは企業秘密。<br />
ともかく難題を解決したからこそ「スーパードライ」がトップの座を勝ち得た、ということだけは確かです。</p>
<p>最後になりましたが、粘度は温度によって変化することをもう一度思い出して下さい。<br />
温度が高くなれば粘度は低く、温度が低くなれば粘度は高まります。<br />
日本酒で言えば、冷やで飲むより熱かんにした方がサラサラと入る。<br />
それでつい、飲み過ぎてしまうんですな。</p>
<p>次回からは、「接着剤と粘度」をテーマとしたシリーズをお届けしていく予定です。</p>
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